■ペット用の火葬車があるのを知っていますか?
ペットは大切な家族の一員だからこそ、人間と同じように火葬や供養をしたいと願う飼い主さまが増えています。
火葬するにあたっては、自宅まで来てくれる火葬車が便利で選ぶ人が増えていますが、同時に「臭いの問題」や「ご近所さんに迷惑が掛からないか?」を気にされる飼い主さまも多くいらっしゃいます。
そこで今回は、「火葬車はどのようなものか?臭いや煙は出るのか?」について紹介します。
■ペット用の火葬車とはどんなもの?
ペット用の火葬車とは、ペットを火葬するための火葬炉が積み込まれた特別な車です。
火葬炉が積まれているといっても、実際はハイエースや軽自動車が多いため、車を見ただけでは火葬炉が積まれているとは判断しづらい構造になっています。
自宅まで来てくれる関係上、住宅街に行くことも多く、会社のロゴや文字などを隠すといった配慮がなされており、外見は普通の車と変わりません。
ハイエースや軽自動車が一台停車できるスペースがあれば、場所も問いません。
火葬炉のサイズは動物によって異なり、ハムスターや小鳥などの小動物用、猫くらいまでの中型用、大型犬のための大型用の火葬炉が存在し、ペットのサイズに合わせて車に積み込まれます。
ただし、超大型犬になると火葬炉が大きくなりすぎてしまい、車に入らないため、火葬車は利用できなくなります。最大許容サイズは火葬業者ごとに異なるため、問い合わせてみましょう。
■煙や臭いが出ない理由は?
結論からお伝えしますが、火葬車は煙や臭いが出ない設計になっています。
その理由は、煙や臭いも燃やしているからです。
「煙や臭いを燃やす」というのはあまりイメージする方も少ないかもしれませんが、実は炉を高温にすることで煙や臭いを燃やすことができます。
煙や臭いを燃やす手段は、バーナーを使うことと熱分解用の空気を利用することの2種類があります。
バーナーを利用する場合は、遺体を燃やす場所とは違う場所を用意し、そこに火葬で発生した煙や臭いを閉じ込めてバーナーで加熱します。
熱分解用の空気を利用する場合は、遺体を燃やす場所と煙突との間に空気を送り込む小さなスペースを作り、火葬で発生した煙や臭いが燃えるほど高温の熱分解用の空気を送り込みます。
どちらの場合も、高温で加熱された煙や臭いは消失し、最後には水蒸気となって煙突から排出されます。
このように火葬を行っても煙や臭いが出ないため、ご近所さんに迷惑を掛けずにペットの火葬が行えます。
火葬車でのお見送りは、ペットが過ごした自宅の近くでできるのもメリット。
最期のお見送りを身近な場所で、家族みんなでできるのが、火葬車を選択する飼い主さまが増えている理由の1つなのかもしれません。